等々力渓谷とは?

 等々力渓谷内にある、2つの解説看板から抜粋してきました。原文のふりがなは、[]で示してあります。

 等々力渓谷、武蔵野台地の南端に位置する延長約1Kmの渓谷です。谷沢川が多摩川と合流する手前で、多摩川が形成した河岸段丘、いわゆる国分寺崖線の浸食によってできた、東京都区内でもめずらしい渓谷として知られています。

 『等々力』の地名は、渓谷内の『不動の滝の音が響き渡り『轟いた』ところからついた、との言い伝えがあります。滝の上部には、平安時代に役の行者の霊場とされた等々力不動尊があり、かつてはこの滝にうたれて行をする修行僧が各地から訪れたといいます。

 渓谷内には『等々力渓谷第3号横穴古墳』があります。これは谷沢川の東斜面の崖に群集している横穴のひとつで、古墳時代末期から奈良時代のものと推定されています。

 この渓谷は、昭和8年(1933年)、国から風致公園ととして指定されました。世田谷区では、昭和49年(1974年)に渓谷の河川と斜面地の一部を風致公園として開園しました。

 等々力渓谷では、四季折々の多くの植物や生物を見ることができ、都会とは思えないような自然に触れることができます。


東京都指定名勝 等々力渓谷

   所在地 世田谷区等々力二丁目外
   指 定 平成十一年三月三日

 等々力渓谷は、国分寺崖線[がいせん](ハケ)の最南端に位置する約一キロメートルの都区内唯一の渓谷である。谷沢川[やざわがわ]が国分寺崖線に切れ込んで浸食したもので、台地と谷との標高差は約一〇メートルある。渓谷の斜面には、武蔵野の代表的な樹木であるケヤキをはじめ、シカラシ、コナラ、ヤマザクラ、イロハカエデなどとともに、常緑シダ類のような湿性植物が繁茂しており、渓谷内には至るところから湧水[ゆうすい]の出現が認められる。

 等々力不動の滝右手の露頭[ろとう]では、武蔵野台地の基盤を形成する地層を観察することが出来る。地層は上から黒土層、立川ローム層、武蔵野ローム層、武蔵野礫[れき]層、東京層の順で、武蔵野ローム層の中には東京軽石層が白くベルト状に認められる。国分寺崖線の湧水である不動の滝は、武蔵野礫層と東京層との境から湧き出した地下水によるものである。稲荷不動右手の石段下には、この滝に打たれて修行をする修行僧が各地から訪れたと言われており、役[えん]の行者[ぎょうじゃ]ゆかりの霊場と伝えられている。

 等々力渓谷は、東京都指定名勝「真姿[ますがた]の池湧水群[いけゆうすいぐん]」(国分寺市西元町)とともに国分寺崖線名勝群を形成する一つであり、東京を代表する自然地理的名勝として、植生学、地質学及び地形学上重要である。

              平成十一年九月
              東京都教育委員会


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